川柳250年協賛
第4回
箸川柳大賞発表

2007年9月30日に締め切らせていただいた「川柳250年協賛・第4回箸川柳」に、2,474句のご応募をいただきました。
兵左衛門社内での厳選なる審査の結果、大賞ほか、各賞が決定いたしました。

第4回箸川柳大賞発表
ハートまで つまむ彼女の 箸使い
愛知県 城後さん(73歳)

評価/箸使いの乱れが進む今日ですが、そんな中、器用にスマートに箸を使う背筋の伸びた女性を目にし、ドキッとした様子が上手く表現されています。

大賞賞品は、箸職人が作るオリジナル(大賞川柳入)の携帯箸「八四郎(はしろう)」セット
優秀賞
鉛筆と 箸が持てたら 一年生
秋田県 伊藤さん(59歳)

評価/私立の小学校の入学試験にも取り入れられるようになってきたという箸の持ち方。基本中の基本のようなことでも、箸がただしく持てない大人にとっては皮肉とも言える句ですね。

優秀賞賞品/
箸職人が作るオリジナル(優秀賞川柳入)のけずり箸セット
特別審査員 近藤珠實 賞
三十路越え 転がる箸じゃ 笑えない 大分県 原井さん(32歳)
評価/「箸がころげても笑う」という言葉に、若い女性の初々しさや純真さを感じてほほえましかったのですが、30を過ぎても嫁にも行かず、さりとて娘としての初々しさも可愛らしさもなくなった(図太くなった)今の女の子の状態を表現していて面白いですね。
近藤珠實(こんどうたまみ)氏
『清紫会』新・作法学院学院長。
作法をより現代社会にマッチしたものとするため、新作法「清紫会」を結成。
新・作法学院で生徒指導の傍ら、テレビ、講演、執筆、社員教育などで活躍中。

近藤珠實賞賞品/けずり箸+近藤先生のサイン入著書を差し上げます。

特別審査員 三田村有純 賞
その爪で 箸を握るか わが娘 千葉県「ペンネーム/箸まし娘」さん(47歳)
評価/娘の理解不能なおしゃれを嘆く親の気持ちがユーモラスです。でも実はこの句の光景は、親は娘にちゃんと目を配り、親子一緒に食卓を囲んでいるからこその一句です。
三田村有純(みたむらありすみ)氏
東京藝術大学美術学部教授。
日展評議員・日本現代工芸美術家協会評議員。日本漆文化研究所副理事長。

三田村有純賞賞品/けずり箸+三田村氏サイン入ミニ色紙を差し上げます。

特別審査員 尾藤一泉 賞
箸だけが 知ってる母の 好き嫌い 埼玉県「ペンネーム/ふうたん」さん(57歳)
評価/子は親の背を見て育つという。親になることは、子の手本になることであり、自分の好き嫌いや我侭を子に見せない努力を強いられる。隠そうとしてもニンゲン好き嫌いはあるだろう。その見せない好き嫌いを「箸」だけが知っているという作句の《目》は、作者自身の体験からではないか。母と箸の関係にニンゲンの一面を鋭く捉えたいい作品である。
尾藤一泉(びとういっせん)氏
川柳家。川柳学会専務理事。
女子美術大学非常勤講師。Web川柳博物館管理者。著書に句集『門前の道』、
『親ひとり子ひとり』、共著に『現代川柳ハンドブック』『絵画の教科書』他。

尾藤一泉賞賞品/けずり箸+尾藤一泉氏の著書を差し上げます。

特別審査員 兵左衛門社長特別 賞
マイ箸で 少し背伸びしてみたい 神奈川県 吉川さん(17歳)
評価/マイ箸を持つという小さなことで、社会や地球に少しだけでも貢献したいという気持ちがよく表れている句だと思います。
株式会社兵左衛門社長

兵左衛門社長特別賞賞品/けずり箸を差し上げます。

入選※順不同
  • レトルトも 箸で食べると 母の味 宮城県「ペンネーム/犀」さん(25歳)
  • 割り勘と 聞いてた箸が よく動く 神奈川県「ペンネーム/団塊子」さん(60歳)
  • ポケットに 箸をしのばす 粋な旅 千葉県「ペンネーム/福間ちゃんぽん」さん(58歳)
  • 気迷いを 女房の箸につままれる 神奈川県 福島さん(58歳)
  • 団塊の 世代も箸も 再利用 栃木県「ペンネーム/流雲」さん(19歳)
  • 箸持ったままで飛び出す 震度4 兵庫県 今井さん(58歳)
  • 生き方を 説いてる人の にぎりばし 埼玉県 関根さん(-歳)
  • マイ箸で 巡る世界の 食の旅 愛知県「ペンネーム/すみれ」さん(55歳)

入選賞品/兵左衛門の人気のお箸を差し上げます。

佳作※順不同
  • 肩の荷が 下りて箸まで 軽くなり 神奈川県 野村さん(66歳)
  • 箸使い 心遣いも身につける 埼玉県「ペンネーム/チャッピー」さん(27歳)
  • せめてもと 箸の長さで 父を立て 神奈川県「ペンネーム/もくず」さん(67歳)
  • 外出は 財布携帯 マイお箸 東京都「ペンネーム/今戸の招き猫」さん(56歳)
  • 逃げ回る ラッキョ―やっと逮捕する 三重県 浅野さん(76歳)
  • 箸持参 誰にも出来る エコロジー 茨城県「ペンネーム/風薫る」さん(30歳)
  • リハビリに 励む父の手 箸握る 千葉県「ペンネーム/里山」さん(52歳)
  • 焼き魚 食後に分かる 箸使い 東京都 蓮見さん(37歳)
  • 俺の箸 そっと妻のと 比較する 神奈川県「ペンネーム/八十日目」さん(67歳)
  • ダイエット 誓った箸が よく食べる 山口県 竹重さん(73歳)
  • 技磨き お箸王子と 呼ばれたい 佐賀県「ペンネーム/ちゃら」さん(52歳)
  • 倖せは 箸でつまめる 距離がいい 東京都 山中さん(42歳)
  • マイ箸で 地球をつまむ夢を見た 千葉県 滝沢さん(42歳)
  • 箸使い 脳トレになり エコになり 茨城県 飯村さん(40歳)
  • 少子化に めでたい箸が ひとつ増え 静岡県「ペンネーム/赤とんぼ」さん(57歳)
  • 権力は 箸と茶碗のサイズだけ 北海道 福井さん(76歳)
総評
箸川柳も4回目を迎え、文芸としてのレベルも上がりました。平均して2500句という集句は、属性川柳としては多い方で、作品上で日本文化を再確認すると共に、上位作品の中には、作者の思いが伝わる優れた川柳も生れています。箸と川柳という伝統文化のコラボレーションで、新しい表現を楽しませて頂きました。 特別審査員/川柳家 尾藤一泉

第4回箸川柳にご応募くださった皆様、まことにありがとうございました。
今後とも兵左衛門をよろしくお願い申しあげます。

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