第5回
箸川柳大賞発表

2008年9月30日に締め切らせていただいた「第5回箸川柳」に、3,663句のご応募をいただきました。
兵左衛門社内での厳正なる審査の結果、大賞ほか、各賞が決定いたしましたので発表させていただきます。

第5回箸川柳大賞
箸よりも 夫使うの 上手い妻
大阪府「ペンネーム/箸休め大輔」さん

評価/社内投票で多くの票を集めた作品。
現代の社会性の一面が描かれ<共感>が大きく、笑わせてくれるからだろう。
夫を上手にコントロールするのも悪いことではないが、まず生活の基本たる<箸づかい>ぐらいは大切にしようという作者の風刺的視線もしっかりと描かれている。

大賞賞品として、箸職人が作る大賞川柳入り携帯箸「八四郎(はしろう)」セット+受賞川柳入りオリジナルTシャツをお贈りいたします。
優秀賞
見合い前 直す写真と 箸使い
愛知県「ペンネーム/さごじょう」さん(25歳)

評価/最近のデジタル画像処理技術は、写真の修整などはお手の物。しかし、育ちの判る<箸づかい>ばかりは、自分の腕から直さねばならず一筋縄ではいかない・・・。

優秀賞賞品:箸職人が作る優秀賞川柳入りけずり箸セット+受賞川柳入りオリジナルTシャツ
優秀賞
里帰り 馴染んだ箸に 弾む椀
東京都「ペンネーム/カシスショコラ」さん(33歳)

評価/平凡な姿だが、若い者が街に出て使われなくなった里の古くから使い続けられた食器が、増えた孫などの参加もあり、急に生き生きする様を彷彿とする。

優秀賞賞品:
箸職人が作る優秀賞川柳入りけずり箸セット+受賞川柳入りオリジナルTシャツ
特別審査員 近藤珠實 賞
箸使うまではドキドキさせた人 神奈川県「ペンネーム/杏花」さん(59歳)
評価/ほのかに憧れを抱いていた人の箸使いを見たとたん、サーッとさめてゆくその気持ち!さびしさと残念さが感じられます(共感!)「ドキドキ」の言葉が生きています。
近藤珠實(こんどうたまみ)氏
『清紫会』新・作法学院学院長。
作法をより現代社会にマッチしたものとするため、新作法「清紫会」を結成。
新・作法学院で生徒指導の傍ら、テレビ、講演、執筆、社員教育などで活躍中。

賞品/けずり箸+近藤氏監修サイン入り書籍+受賞川柳入りオリジナルTシャツ

特別審査員 三田村有純 賞
器用さを 育んできた 箸文化 兵庫県 西沢さん(56歳)
三田村有純(みたむらありすみ)
東京藝術大学美術学部教授。
日展評議員・日本現代工芸美術家協会評議員。日本漆文化研究所副理事長。

賞品/けずり箸+三田村氏の著書+受賞川柳入りオリジナルTシャツ

特別審査員 尾藤一泉 賞
マイ箸で 地球の未来 わしづかみ 愛知県「ペンネーム/さごじょう」さん(25歳)
評価/マイ箸とエコという多くの類想の中で、未来を大きく捉えた作品です。箸のような小さな存在が、地球の未来にも大きく関わっている事を「わしづかみ」とその動作に託して描く技巧は見事。箸川柳にふさわしい句が生れました。
尾藤一泉
川柳家。川柳「さくらぎ」主宰。川柳学会専務理事。
女子美術大学、武蔵野美術大学非常勤講師。Web川柳博物館。
著書に『川柳総合大辞典』、『親ひとり子ひとり』、『門前の道』ほか。

賞品/けずり箸+メダル+受賞川柳入りオリジナルTシャツ

特別審査員 兵左衛門社長特別 賞
九回裏 握るは汗と かっとばし!! 広島県「ペンネーム/コウジロー」さん(27歳)
評価/世界で唯一箸だけで食する我が国。そして今、グローバリゼーション、地球環境保全の時代、ニッポン文化とスポーツとエコと経済がスクラムを組んだ句です。しかも27歳というこれからの時代を担う世代の力強い作品です。
株式会社兵左衛門社長

賞品/けずり箸+受賞川柳入りオリジナルTシャツ

入選※順不同
  • カロリーを 暗算してる迷い箸 岩手県 新里さん(78歳)
  • 「こいつなら」父も認めた箸使い 茨城県「ペンネーム/ヤスジロー」さん(47歳)
  • 「おいしいよ・・」嘘はつけない箸の先 徳島県「ペンネーム/あいらむ」さん(40歳)
  • 塗箸が 渋く光ってきた夫婦 兵庫県 上野さん(60歳)
  • 箸使い 鍛えてくれた 大家族 宮崎県「ペンネーム/ちりとてちん」さん(51歳)
  • 気に入った 一生ものの箸と嫁 東京都「ペンネーム/太鼓腹」さん(40歳)
  • おはしはね ふたつそろって ラブラブだ 大阪府 野山さん(11歳)
  • 50年 ともに過ごした 箸二膳 神奈川県「ペンネーム/山海の珍味」さん(67歳)

入選賞品/兵左衛門の人気のお箸+受賞川柳入りオリジナルTシャツを差し上げます。

佳作※順不同
  • いつからか 同じ長さの 夫婦箸 埼玉県 宮代さん(60歳)
  • マイ箸が きらりと光る 昼休み 埼玉県「ペンネーム/らっぱ」さん(33歳)
  • Myお箸 マナーをともに 持ち歩く 愛知県 原田さん(47歳)
  • 夫婦箸 子に贈られて あらたまる 兵庫県 堀田さん(61歳)
  • いい箸と 言われて言えず 105円 岐阜県 水野さん(58歳)
  • 幼な児が お箸でひとつ 大人びる 岩手県 伊藤さん(50歳)
  • リハビリに 父のお箸が 汗をかき 愛知県「ペンネーム/ごんた姫」さん(44歳)
  • いつの間に 箸の長さも 追い越され 山形県「ペンネーム/レディグレイ」さん(27歳)
  • 京美人 箸先までが 色っぽい 静岡県「ペンネーム/太ったみかん」さん(56歳)
  • myお箸 にほんで救う 温暖化 福岡県 水口さん(49歳)
  • お互いに 色あせてゆく 夫婦箸 福岡県 森尾さん(47歳)
  • 「ああ此処や!」ちりとてちんの 箸の町 福井県 渡邉さん(-歳)
  • マイ箸で 世界を歩く エコライフ 広島県 舟木さん(66歳)
  • マイホーム ないけどあるよ マイオハシ 東京都「ペンネーム/いーじー」さん(70歳)
  • 箸並べ 子供に頼む 初仕事 群馬県 川端さん(37歳)
  • 父の箸 使って母は 気にもせず 宮城県 渋谷さん(41歳)
  • あの世まで 持って行きたい 馴れた箸 大阪府 出原さん(70歳)
  • アイドルの 中味が見える 箸使い 広島県 矢田さん(48歳)
総評
回数を重ねる度に投句数も増えてきました。
今回の特徴は、「マイ箸」というコトバを使った句が、集句の1割という多数を占め、意識として大きく定着してきたことが覗えます。
発想として「マイ箸」と「エコ」の組み合わせと「箸使い」と「人柄」との組み合わせが多く見られましたが、既成概念にもなってきていますので、よほど巧く作らないと入選できません。むしろ、広く箸の本質を見詰めた方が、新鮮な句が得られたようです。 特別審査員/川柳家 尾藤一泉

第5回箸川柳にご応募くださった皆様、まことにありがとうございました。
今後とも兵左衛門をよろしくお願い申しあげます。

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