日本人にとって生活から切り離すことの出来ない箸は、古事記などの神話にも描かれている道具だが、それは単なる道具を超えた日本人の姿。シンプルな作りでありながら、食のあらゆる場面を演出できる機能も備え持っているのは、日本人の生き様そのものをも映すよう。「和の心」は、二千年を通じて磨かれ、今に生きていることを感じる。
特別審査員
16代尾藤川柳賞 賞
- 箸先の傷幸せの数数え 兵庫県/日比若葉さん(21)
- 長く使っていると箸先にも傷が積み重なっていきますが、その傷の一つ一つが、作者の過ごした時間であり、出遭った食べ物との一期一会の証でもあります。