第13回箸川柳大賞発表

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兵左衛門


第13回箸川柳には4,357句のご応募をいただきました。
兵左衛門社内での厳正なる審査の結果、大賞以下各賞が決定いたしましたのでここに発表いたします。


P.N.ひろさん様、
おめでとうございます!

大賞賞品/箸職人が作るオリジナル(大賞川柳入)の携帯箸「八四郎(はしろう)」セット

講評/「サツだ、ヤバイ、逃げろ…」とか「ヤバイ、セン公が来た」などといった「ヤバイ」の用法も世代が変われば肯定的な意味合いに…。流行語や時流のコトバを生かすことは、公募川柳にとって重要な要素。箸というテーマから、こんな捉え方が出来たのも、作者のしっかりとした目が効いているからでしょう。今年は、同想の句もありましたが、選考会の皆さんが選んだこの句は、これはこれでよくできています。

講評/親には遠慮があっても、祖父母には遠慮しない孫。それは、心の距離でもあるのでしょう。直接の利害を離れた身内ならではの心理が見えてきそうです。こんなお孫さんはかわいくて仕方ないでしょう。

講評/楽しさを摘まむ箸。こんな捉え方ができるのも川柳ならではの表現です。音符という象徴は、遠足の楽しさから、お弁当のおいしさ、さらには、心の楽しさまでもが感じられてきませんか。句の意味の奥に感じられる心理が魅力です。

講評/いかにも「箸川柳」らしい一句。真っすぐでない箸は、使いにくいものですが、子供も箸のように真っすぐなら、道は自ずと拓くでしょう。箸と子供の関係から、箸でそだった和の心が、背景に見えてきます。

講評/箸が踊るほどの食事時。この家庭の温かさや人間関係までもが句のコトバの間から見えてきます。育ち盛りの12歳。楽しくて仕方ないこの時間が、十七音から垣間見えるジュニアの作品。今後の活躍が楽しみです。

優秀賞賞品/箸職人が作る優秀賞川柳入り箸セット

評価/「箸」という言葉が入っていない句ではありますが、読んだ途端に「あら、それなら箸よ!」と思いました。日本の象徴である「箸」を「和の心」に合わせたところが良いと思いました。

賞品/受賞された方の名前を入れたお箸+近藤氏の著書

近藤珠實(こんどうたまみ)氏

『清紫会』新・作法学院学院長。 作法をより現代社会にマッチしたものとするため、新作法「清紫会」を結成。新・作法学院で生徒指導の傍ら、テレビ、講演、執筆、社員教育などで活躍中。

評価/食事は母のテリトリーなどというと叱られそうですが、かあさんの菜箸だからこそ「こころ」に届くものがあるのでしょう。食事の風景から、家庭内の人情の機微までが描き出され、とてもあたたかな気分にしてくれる一句です。

賞品/受賞された方の名前を入れたお箸

尾藤一泉(びとういっせん)氏

川柳家。 川柳「さくらぎ」主宰。川柳学会専務理事。女子美術大学、武蔵野美術大学非常勤講師。Web川柳博物館。著書に『川柳総合大辞典』、『親ひとり子ひとり』、『門前の道』ほか。

評価/お箸を上手に誓える人は男女を問わず魅力的です。うまく使えない人は人間としてだらしなく見えてしまう物なのです。落ちる、掬う、さばきと三つの動詞で感情を読み込んだ秀逸な句です。

賞品/受賞された方の名前を入れたお箸+著書



三田村有純(みたむらありすみ)氏

東京藝術大学美術学部教授。 日展評議員・日本現代工芸美術家協会評議員。日本漆文化研究所副理事長。

評価/「第三者」という今年前半の日本を飛び交った流行語を使用した秀逸な作品として選びました。自分自身では当然と思っていることも、他人から見ると非常に気になってしまう。不合格の烙印を押されないよう、皆さんももう一度お箸使いを見直されてはいかがでしょうか。

賞品/受賞された方の名前を入れたお箸

賞品/入選された方の名前を入れたお箸

※順不同

作品 お住まい
/お名前orペンネーム(年齢)
箸使いうるさく言ったら「じじ、キライ」 島根県/角森さん(48)
八四郎を贈られオバマ日本つう 大阪府/泉州のみずなすさん(65)
ぎこちない箸がばらした恋心 愛知県/さごじょうさん(33)
箸マナーこれも日本のお・も・て・な・し 東京都/細谷さん(13)
お箸持ち命に感謝いただきます 東京都/小川さん(13)
箸づかい良縁までもたぐり寄せ 神奈川県/チョップ丸さん(56)
名入り箸二膳そろえて喜寿と古希 神奈川県/柴山さん(73)
見合い前持ち方ググり猛特訓 兵庫県/にゃんでしさん(41)
似たくない父に似てきた箸使い 広島県/みかどさん(64)
菜箸に日々染みていく母の味 茨城県/いとさん(29)
美しい国に息づく箸供養 神奈川県/きなこさん(65)


※順不同

作品 お住まい/お名前orペンネーム(年齢)
優雅なる箸へフォークのILOVEYOU 埼玉県/ふうたんさん(65)
義母が来る滑り止めする箸と口 大阪府/逆ペリカンさん(33)
孫の名がキラキラしている祝箸 滋賀県/PON5さん(42)
和の心はしでつないだ賢島 静岡県/黒耀舎さん(47)
キャラ弁の美技もお箸があってこそ 奈良県/めるもさん(49)
MY箸が好みも味も知り尽くす 東京都/黒潮さん(69)
インスタでバレる女優の握り箸 広島県/カナブンさん(32)
化粧では隠しきれない箸遣い 東京都/汐海 岬さん(44)
上げ下げにうるさい祖母に感謝ナウ 東京都/しろくまカフェテリアさん(14)
ピーマンを上手にはじく孫の箸 大分県/蒼い朱鷺さん(58)
洋食化今こそ磨く箸使い 三重県/ボヤさん(17)

総評
同じテーマで募集される川柳では、「大トロも」のような人情の川柳も悪くありませんが、大賞の「あいつやばい」とか、会長賞の「第三者」のような時流のコトバを用い、時代の空気を定着していることも重要です。「今」という瞬間をとらえる〈目〉が、川柳を生き生きしたものとしてくれます。  全体として箸は、日本人の基本的日常のごく身近にある存在で、箸を通してみた世界には、人間が見えてきます。ニンゲンを直接見つめてきた川柳が描く世界は、「箸川柳」のように継続して行われると、時々刻々と変わる時代の気分をはっきりと見て取ることができます。


特別審査員/尾藤一泉